2012年6月30日土曜日

喫煙ワクチンがネズミの脳内でニコチンを阻害


Smoking vaccine blocks nicotine in mice brains
By James Gallagher. Health and science reporter, BBC News. 27 June 2012. Last updated at 18:00 GMT

喫煙者はある日、予防注射によってできるニコチンに対する抗体により、その習慣による満足感を得る事がなくなるだろう。米国の研究者による報告である。

体内のいたるところにニコチンを攻撃する抗体を作るワクチンを開発。

科学トランスレーショナル医学で発行されたネズミをもちいた実験では、ワクチンの接種後、脳内の化学物質の値が85%減少した事が確認されたと発表。

人体で試験を行う前には、何年という時間を研究についやす必要がある。

研究の第一人者であるロナルド・クリスタル教授は、その利益を確信している。

「我々が知る限り、喫煙による慢性ニコチン中毒に対する最善の対処方法は、パックマンのようにこれらの抗体が監視し、必要に応じてニコチンが生化学的影響を及ぼす前に血中をきれいにする事である。」

新しい取り組み

その他の“喫煙ワクチン”も開発されており、これらはニコチンを結束させる抗体を放出する免疫器官を鍛える。病気の予防に用いられるワクチンと同じ考え方である。壁は、満足感を得る作用や、脳全体で薬物の影響を止めるに十分な数の抗体を作り出す事であった。

ウェイル・コーネル医学大学の科学者は全く異なる手法を用い、遺伝子治療ワクチンならより確実性を得られると言う。

ニコチン抗体を作り出す方法を備えた遺伝子組み換えウィルスを利用し、肝臓に感染をさせる。これにより、臓器が抗体を作りだす製造工場になるのである。

研究では、普通のネズミと免疫を備えたネズミ間の、脳内のニコチン量を比較。ワクチンを接種したネズミからは85%低い値のニコチンが確認された。

これが人体においても同様に繰り返されるのか、また禁煙を促す事ができる程の減少であるか否かは不明だ。

クリスタル教授は、このようなワクチンが開発される事により、人は「再び喫煙を始めても、ニコチンワクチンによって満足感を得る事が出来ないと知るであろう。その事が禁煙への補助を成し得るのだ」と述べる。さらに、「我々はこのようなワクチンの戦略が、禁煙の為に可能な限りの方法を試し尽くしてもなお、自身のニコチン中毒が勝り、疲れきっている何万人という喫煙者の助けになるという事に非常に期待をしている。」と続けた。

‘驚愕的、かつ魅力的’

人体における遺伝子組み換えの安全性に関する問題があり、これらの課題も抱える。

ケント大学・遺伝学の教授であるダレン・グリフィンはこの発見について、「大きな潜在的側面を含み、驚愕的かつ魅力的である」と述べるも、解決しなくてはならない多くの問題が残ると警告する。

彼曰く、主な問題は「先に知られる様に、精神的、肉体的の相方に起こるこのような中毒性を持つ人の中毒を軽減させるために、研究所のネズミに観察された生化学的作用を、そのまま適応できるのかどうか」であると言う。

ロンドンカレッジ大学のサイモン・ウェディングトン医師は、「遺伝子治療を支える技術は日々進歩しており、健康を提供する社会において人々の健康と脳に悪影響を及ぼしている、ニコチン中毒の対処法に使用できる可能性を示すこれらの予備的な結果を見る事は励みになる」と述べた。

もしこのようなワクチンの開発が進めば、人に対するワクチン接種における倫理的な疑問も持ち出されるであろう。若年層に対し、彼らが喫煙を始める前の接種についての議論などが考えられる。