2012年6月7日木曜日

ウクライナの抱く、原子力発電に対する奇妙な愛



Ukraines strange love for nuclear power
By Stephen Mulvey, last updated on Wed 26 April, 2006, 23:21 GMT

原子力によって散々苦しめられた国、ウクライナは、原子力の道を熱意を持って行進している。

2004年までに2つの新しい原子炉を完成させ、2030年を完成目標に進められる計画が11以上ある これは、チェルノブイリ事故の影響でヨーロッパ諸国の殆どが原子力発電計画を凍結していた最中の事である。

「神が与えて下さったウラニウムを、我々は今日利用するべきである」Yuri Yekhanurov首相が先月述べた言葉である。

当初ウクライナも原子力発電に反対の姿勢を向けた。事故から4年後に原子炉建設を一時停止させたのである。

この時点で原子力発電は、民主主義をかけてモスクワからの独立のために戦う集団の叫びにもなっていた。

「チェルノブイリ原子力発電所と共に、共産党の存在も続く!」というスローガンが良く使われていた。

エネルギーへの依存性

しかし、1991年にソビエト共和国が崩壊した一年後のエネルギー不足で、原子力発電に注目が集まる。

1993年にチェルノブイリを閉鎖するという決定が下されたのは1991年であったが執行日を間近に控えた頃に取り消しとなる。そして、西側から圧力によって2000年に閉鎖されたのであった。

今日、原子力発電への前進を支える背景には、ロシアの石油とガスに対する依存の軽減という希望がある。

「我々の保有する資源は少ないが、技術はある。発電所は万能薬である」元副エネルギー大臣で、現在はリブニ原子力発電所のディレクターであるNikolai Fridmanはこう述べる。

「エネルギーへの脱依存は大変重要なことである」そう加える。

先月発表された当国の新しいエネルギー戦略は核サイクルの完成を踏んだ当初の計画が逆転し、他国のウランを濃縮する事を視野に入れたものだ。

原子力から学んだこと

同時に、チェルノブイリ事故によって、多くのウクライナ人は原子力発電を信用する事はリスクが高すぎるという事を学んだ。

道路清掃をするMykola Tkachenkoはチェルノブイリが元で後20年間健康と環境に費やされた費用に対して大きな議論を生み、小さな町の原子力発電所と、(自身の心に誓って)燃料の無駄使いと。

キエフ工業大学の原子力技術を学ぶ2人の学生でさえも、安全上の理由で不安を訴える。

相方ともに、バイオマスや太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーを強力に支持する。

しかし、ウクライナの原子力産業界は、チェルノブイリからの学びを全く違う角度で見る。

チェルノブイリの挑戦

いくつかの主要な団体はその案を却下した程で、RBMK原子炉は本質的に危険であるという共通認識が西側であった。

「初期の自動車を考えて見れば良い」チェルノブイリのディレクターであるIhor Hramotkinは述べる。

「仮に、今後仮に安全性が高められた新しい機種が出たとしても、取扱に慣れた人にとって危険なものではありません」

Nikolai Fridmanは、ロシアで安全に運転される10基以上を例にあげ、全てはRBMK原子炉がどの様に運転されるかにかかっている」と言っている。

「ちゃんと働くし、彼らにも働く権利がある」と述べる。

この二人の男性にとって、チェルノブイリとは挑戦と克服すべき負の遺産であることを意味する。

Fridman氏によれば、異なる国から原子力技術者が集まると、決まって「お互いをがっかりさせない為に」このような事は再び起こしてはならない、と決まって繰り返す。

Hramotkin氏は、彼の従業員は、チェルノブイリの廃棄を無事成功させる事で業界のイメージが世界であがる事を認識している、とも述べる。

「彼らは具体的な使命を持つだけでなく、自国と世界の為に問題を解決しているのです。」

西側の意向

主要なインフラの多くに建設問題や遅延などの問題があり、廃棄工程のスタートが不安定であったにも関わらず、少なくともウクライナ政府はその部門に対して完全な自信を持っていた。

新しい11基の建築と同様に、エネルギー戦略の想定が、即存の13基の加圧水型原子炉の寿命を延長している。

今後20年から25年における全体の予想出力の倍増が期待されているにも関わらず、これは、ウクライナでの発電量全体の50%を供給する事を保証するものである。

それは、ウランとジルコニウムの更なる製造を構想し、(どこかで濃縮される燃料で満たした)燃料棒を作る工場の建設なのである。

エネルギー脱依存を憧れるウクライナは、しばらくの間ロシアに頼ったままだ。

しかし、ウクライナの原子炉の次世代基が西側の技術を使用する事はあり得るであろう。

激しい国家議論が予想される。