2012年6月3日日曜日

スズキの生態(東京湾ー仙台湾付近を特記)

スズキの生態 

海で生まれる
仙台湾;10月下旬から生殖腺が発達し、11月下旬には雄雌ともに最大となる。その後急速に生殖腺が小さくなる事から、この湾のものは12月中旬から翌年1月上旬と報告される。
若狭湾;11月末から球に大きくなり1月末に小さくなるため、12月下旬から翌年1月中旬とされる。
犬吠岬近海;10−11月
伊勢 三河湾;1−3月
渥美外海:11−12月
瀬戸内海;10ー翌年1月
土佐湾:11−翌年4月
九州近海;11−翌年3月

関東近海の産卵場所;東京湾
産卵期;10月下旬から翌年2月下旬、盛期は11月下旬から翌年1月下旬。晩秋から冬季。
産卵場の特徴;主に沖合の表層近く、湾岸の岩礁地帯で凹凸のある水深50−80m位、観音岬周辺から東京湾の境目付近(城ヶ島と州の崎を結ぶ境界線)にまで卵が分布する。潮が大きく海が荒れた日の夕方から夜。

成長
卵は潮流に乗って広く分散し、4−5日後には孵化、仔魚は漂いながらプランクトンを食べ体長1.5-2cmまで成長すると岸よりの藻場や河川に入り込む。1年後の冬には20-25cmの成魚に成長し、河口域や深場へ移動。3年で体長40cmのフッコとなり、80cmに育つには10年が必要とされる。

  1. 孵化;産卵後4日半くらい
  2. 孵化後5−6日から2ヶ月間;約5.2mmに成長し、産卵場近くの海域を浮遊しながら餌を取り始める。
  3. 2月から3月;全長14mm位になると、岸よりの藻場や河川に入る様になる。
  4. 4月;20mmの稚魚となりアマモ場に移動、かいあし類や枝角類などの動物プランクトンやユスリカ幼虫、多毛類、エビ類の幼生などを餌にし、6cm位に成長するまで生活。海に残る稚魚は10−11月まで体長13cm前後まで周辺で生活する。
  5. (川にのぼる稚魚)15mm前後から河口に集まり40−50日過ごし、海水から淡水で生きる為の細胞の変化を行う。
  6. 2cm位まで成長;川をのぼり始める(海育ちの類では3の段階)。利根川のスズキで河口から200kmの上流で確認の例も。
  7. 4−5月;5−6cmの稚魚となり、川の浅瀬は水温が下がりすぎて越冬できず、下り始める。
  8. 7−8月;15cm前後に成長すると海に入り、沿岸一帯に移動して生活
  9. 10−11月;(海育ち、川育ち共に)体調13cm前後に成長し、藻場からやや深い藻場周辺の深みに移動。
  10. 12月;未成魚となり内湾の深みから外湾の暖かい海域で越冬。

メモ;元茨城県水産試験場高瀬英臣研究員は、茨城県涸沼に入るスズキの稚魚について研究し、非常に多くの稚魚が川を上っていることを報告しました。涸沼には生まれた時期の違う集団が幾つか入り込みますが、これらは涸沼で混合することはありません。海から川を上ってくる稚魚は、6月の時点で約1500万尾と推定され、これらは徐々に下流域に移動します。このため、9月下旬から10月中旬には、約80万尾程度にまで減少します。12月中旬から翌年4月上旬までは涸沼でほとんど再捕されなくなりますので、大部分のものはいったん海に出るものと推定されています。そして、翌年4月中旬頃になると、再び標識魚が再捕されるようになりましたので、1年魚となったスズキのうちの一部が稚魚時代に生活した川に再び戻って、そこで生活することがわかりました。これらのスズキは体長30cm前後となり、10月中旬頃から川を下り始めます。


メモ;仙台湾では、未成魚は1~3月に水深90~100mのところで越冬し、春の4~6月に急速に接岸して、7~9月に水深20m以浅の海域や汽水域や河口域で生活します。

1歳;20cm前後
2歳;30cm前後
3歳;40cm前後
4歳(房総沖);43cm前後
5歳(房総沖);49cm前後
6歳(房総沖);61cm前後
7歳(房総沖);65cm前後
4歳(仙台湾);43cm前後
5歳(仙台湾);49cm前後
6歳(仙台湾);53cm前後
7歳(仙台湾);56cm前後
*一般に仙台湾や三陸のものでは成長が悪く、房総以南から九州のものの方が成長が良いようである
*1−6月よりも7−11月の方が成長が良いといわれる

食性
食性(稚魚);イサザアミ
食性(体調10cm程度);ハゼ、白魚の稚魚
食性(湖沼);ヤゴなどの水棲昆虫、ワカサギ
食性(川);アユ、ウグイ
食性(河川);イソメ、二枚貝、ボラの子
食性(磯);カニ、エビ
食性(沖);キビナゴ、イワシ、アジ

仙台湾1歳魚の未成魚の食性
1−2月;キシエビ
3−6月;イカナゴ
10−12月;カタクチイワシ、キシエビ

仙台湾成魚の食性
マイワシ、カタクチイワシ、マサバ、イカナゴ(重要な餌とされる)、ヒラメ、エビ類、ヤドカリ類、イカ類

東京湾
シバエビが未成魚の重要な餌であるといわれてきたが、最近の調べでは湾内の浅い所で生息するスズキはゴカイ類を主要な餌としている事が判明。

魚礁の習性
春から夏に魚礁につき、面積が広く表面に凸部が多い魚礁ほど良く集まるが、どこでもという訳ではない。潮の流れる通り道にあり海底が軟らかい泥状のところで、岸から放れた魚礁に良く集まる。砂や小石の多い海底には集まってこないようである。


参照
http://www.q.turi.ne.jp/suzuki/index.html
(メモのコピペ含む)http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/Sakana/Misc/Suzuki/
http://www.geocities.jp/nortyhanako/life.html



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