2013年8月24日土曜日

てんかん;基礎 - てんかんの発作


Epilepsy Action Epileptic seizures explained


はじめに
てんかんの診断が下った場合、その患者は今後も発作(または「ひきつけ」ともいう)を起こす傾向にあるという事です。通常、発作が2回以上起きた後にてんかんの診断が下ります。

発作は、脳のあらゆる部分で起こる可能性があります。脳は、私たちの意識や体のすべての機能を担います。発作の際中に体験する事は、脳のどの部分で発作が起きているかによって異なるのです。

この項では、てんかん発作の中で最も一般的なタイプを、簡単に解説します。

脳の構造





緑;後頭葉
紫;頭頂葉
赤;前頭葉
黄色;側頭葉

発作はなぜ起きるのか
私たちの脳内では、常に電気的活動が起きています。てんかんは、脳内で突然激しい電気的活動が活発に始まる時に起こります。この激しい電気的活動は、脳の正常な働きを一時的に中断し、その結果、脳の信号が混乱します。その結果、てんかん発作が起こるのです。

この項で使用される「てんかん活動」という言葉は、このような激しい電気的活動をさします。

発作の始まり
発作は年齢に関係なく起こる可能性があります。発作型の中には、ある特定の年齢ではじまる事が多いものもあります。例えば、欠伸発作は主に幼児期に起こりますが、中には稀に大人になってから発作を起こす子供もいます。成人では、焦点性発作(または部分発作ともいう)が最もよく見られる発作型です。

発作の分類
ILAE(The International League Against Epilepsy 国際てんかん連盟)という、てんかん専門家の国際的な団体によって、様々な発作型の名称を載せた一覧表が作成されました。この一覧をILAE発作分類表(The ILAE seizure classification) と呼びます。発作型の名称は、この分類表に基づいて決められます。

発作に適切な名前が付けられる事は、医師にとって重要です。なぜならば、薬や治療法の中には、対象とする発作型が限られているものもあるからです。

発作型について
様々な発作型があり、また脳のどの部分でてんかん活動が始まるかによって分類されます。

焦点性(部分)発作
これらのてんかん活動は、患者の脳のたった一か所ではじまります。患者は、この種類の発作に対して警戒感を抱くか、何が起きているのかわからないかも知れません。自制の効かない動きがあるかも知れません。もしくは、異常な感覚や感情を認かも抱くかも知れません。中には、発作が起きている事に周囲にいる人々が気付かない事もあります。

焦点性発作は、非常に短いか数分で消失します。焦点性発作ではじまったてんかん活動が脳の他の部分に広がり、全般発作になる事もあります。

全般発作
全般発作は、患者の両側の脳半球(両半分)におけるてんかん活動です。通常、患者はこの種類の発作の際中は意識を失いますが、中には、発作がごく短時間なために誰も気づかない事もあります。筋肉の突っ張りやけいれんが起こり、起立していた場合は倒れるでしょう。