2012年5月5日土曜日

日本が直面する、先行き不透明な原子力の将来

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-17934648
5月4日 00:48更新

日本が直面する、先行き不透明な原子力の将来


唯一運転される原子炉が定期検査のために運転が停止される。原子力の今後について国内で議論される渦中に、BBCのバートが入る。

柏崎刈羽原子力発電所は、日本がまだ原子力の将来性を信じていた頃に建てられた。
広大な海岸線に沿って伸び建つ7基の原子炉は東京への電力供給を行い、国の反対側に退けられている。
訪問者受け入れ施設には、世界最大の発電出力を誇る最大の原子力発電所として認定されたギネスブックレコードが掲げられている。
しかし今ではまるで、景色に浮く小さくてとても高価なシミのようだ。

大きな雇用主

制御室の時計の下にある発電出力はゼロを指している。
柏崎刈羽原子力発電所は出力停止中である。そして、日本国内に存在する全54基の原子力発電所の中で唯一動いていたその原発は、週末に運転が停止される。
2011年3月11日の地震と津波の前は、原子力発電は日本が必要とする電気の30%を提供していた。現在は、代替の天然ガスと原油の輸入が増えている。
原子力発電所の影の部分にあるその他の同じ地域同様に、立地地域である柏崎市も同じ選択を迫られる。雇用の必要性、または、福島の住民のように災害によって破滅させられるか。
発電所は大きな雇用主である。請負業者を含む1万人程が働いている。
近辺の雇用機会は限られている。そもそも、同市に住む父親たち先代がここに住んだ理由はそこにある。
町最大の後援者であるTEPCO(東京電力会社)以外の他の産業もなく、大通りは色あせる。

信用は微塵もない

”安全だと教えられ、原子力発電所と共生して来た” アイダ市長はそう話す。
”しかし事故を経験し、そうではないかもしれないと気づいた。なので、原子力発電所が絶対に安全であるという事を当然と取ることは出来ない。
我々は市民としてその事を考えなければならない。それがここに住む私たちが一番心配する事です。政府や発電所を運転する人たちに対する、私たちの信頼は粉々です。”

柏崎刈羽の副管理者であるアライ氏は、安全上の問題が最重要であったと述べる。
”発電所の目的は電気を生み出す事です。しかし、我々の会社は事故を起こした福島発電所に責任があります。原子力発電所にとって何よりも重要な事は安全性です。原子炉を運転する以前に、安全性は何よりも優先される事です。私たちが感じる事は共通しています。”

国が直面するエネルギーへの挑戦に留意する政府は、信頼の奪回に挑み続けます。
原子力発電所は多重のストレステストを受け、地震や津波などの自然災害に対する耐久性を調べられました。
首相は既に、地元行政から関係者に再起運転に向けての協議を指示しています。
しかし、彼らは今週末に起こる事を阻止する事が出来ませんでした。北海道の泊原子力発電所が、何も再稼働される前に定期検査のために停止される事です。
日本は過去40年以上で初めて、原子力発電の完全な停止を迎えるのである。
地元の行政は法的に拒否する権利を持たないが、常に慣例の問題として協議してきたのである。
政府は結局のところ合意ではなく強制的に事を進めたいのだが、日本経済へのツケは大きい。

安価なエネルギーが必要

ガスやその他の化石燃料の輸入の劇的な増加で、去年の国の貿易赤字が過去最大になった。船員は、東京湾のガスターミナルがこんなに混雑する所を見たのは初めてだと言う。
国内の停電はその事で防ぐ事が出来たのだが、電力料金の値上げが産業にもたらされる。
”日本経済は巨大で先進的な製造業に支えられる。製造業業界には安価なエネルギーが必要なのである。”日本エネルギー経済研究所のナガトミ氏は語る。
”産業業界は、この状況により自社製品を日本国内で生産する事が難しくなるであろうと恐れる。業務を日本国外に移動させた方が賢明ではないかと考えるだろう。”

柏崎刈羽原子力発電所は新しい巨大な海の壁を構築している。あらゆる津波に耐えうるほど大きいのだ、と彼らは言う。
しかし、日本人は福島第一原子力発電所はメルトダウンの事象を除けば安全であると言われたのである。
津波の余波と危機の中、福島原子力発電所の運転に苦しむ作業員の一人であるハラコ氏は、公衆が信頼を再び寄せる前にこの事から学習しなくてはならない、という。
”40年以上、我々は原子力発電所を安全に運転して来ました。我々は国に電力を提供する事に貢献したと信じています。しかし、悔やまれる事故が起きました。日本の国内外の運転員が、発電所の運転のために学ぶ必要があるのです。日本の核エネルギーの存続のために、私たちには今後より広範囲での議論を行うことが必要であると考えます。”

人びとを説得させるのは容易ではないだろう。




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