強迫性障害(Obsessive Compulsive Disorder - OCD)の症状
強迫性障害(OCD)による影響は人によって異なりますが、通常は思考や行動に特有のパターンが起こります。
OCDの患者の多くは思考と行動の一連のパターンに陥ります。そのパターンは主に4段階に分かれます。
- 執着;立て続けに起こる不安感や恐怖によって心が打ちのめされます(例;家が火事になるのではないかという恐怖)
- 不安感;強迫観念や行動によって激しい不安や苦痛が起こります
- 衝動;そして、例えば全ての窓やドアに鍵が掛っているかを外出前に最低3回は確認するなど、不安や苦痛を減らすための強迫行動のパターンが身についてしまいます
- 一時的な緩和;強迫行動によって不安は一時的に和らぎますが、執着と不安がすぐに戻るために一連のサイクルが再び始まります
強迫観念
ほとんどの人は不快もしくは不要な考えを一度は持つものです。例えば、いつか仕事を失うのではないかという執拗な心配や、パートナーが浮気をしているのではないかという漠然とした疑いなどです。
多くの人はこのようなタイプの思考や心配をやり過ごして、日々の生活をつづける事ができます。あまり実態のないことを繰り返し考えたり心配したりはしません。
しかしながら、他の考えを邪魔するほどに思考を支配する不要かつ不快で持続的な念がある場合、強迫観念に発展するでしょう。
OCD 患者に特有の強迫観念には以下があげられます:
- 自分や他人を故意に傷つけるのではないかという恐怖 - 例えば、自分でも嫌気がする行動であるにも関わらず、他人に危害を加えるかも知れないと不安になる
- 過ちや事故で自分や他人を傷つけるのではないかという恐怖 - 例えば、誤って調理器を付けっ放しにして家を火事にするのではないか、という不安を抱く。その結果、台所の火の元を何度も確認するようになります
- 病気や感染、不快な物質による汚染に対する恐怖
- 対称性や整頓性の要求 - 例えば、食器棚にある缶のラベルが必ず全て同じ方向を向いている必要性を感じます
- 自分の信仰を破るほどの行動を起こすのではないか、という恐怖
強迫行動
衝動は、強迫観念による害を防ぐ、または小さくする試みの一手段として起こります。しかしながら、この行動は極端であるか、全く現実に繋がるものではありません。
例えば、ホコリやバイキンに汚染されるという恐怖を抱く方は一日に50回も手を洗います。また、家族に危害を加えるのではないかと恐れる方には、その危険性を「消滅させる」ためにある行動を何度も繰り返す衝動があります。後者の強迫行動は、特にOCD を抱える子供によく見られます。
OCD 患者の多くはこのような強迫行動は理に合わず論理的な意味を持たない事に気が付きますが、自身の衝動を止める事ができません。
OCD 患者によく見られる強迫行動の種類には以下があります:
- 掃除
- 手洗い
- 確認(戸締り、ガスの元栓や蛇口の閉まり確認など)
- 数を数える
- 注文や手配
- 買いだめ
- 安堵や再確認を求める
- 告白や自白を求める
- 静かに言葉を繰り返す
- 同じ事について長期間考える
- 「消滅させる」という、強迫観念に立ち向かう思考