2014年2月12日水曜日

英国の動物実験計画に目標見えず

No target in UK animal tests plan
By James Morgan
7 February 2014 Last updated at 11:29


英国政府は、研究における動物の使用に対する代替え、精緻化と頭数の削減を含む実施計画(3Rs)を発表した。

3Rsは、可能な限り代替法を用いる事を科学者に推奨する事を誓うものだ。

しかし、金曜日に発表された戦略には動物実験の総数削減に対する公約は盛り込まれておらず、増加している。

先の選挙で、連立が科学研究における動物の使用数削減を公約したにも関わらず、である。

その代わりに、英国における科学の向上を手助けする、新しくより倫理的な研究手段を政府は推進する方針だ。

「これは数値目標ではありません。」大学と科学の大臣を務めるディビット・ウィレットは述べる。「公約は“動物の使用の削減に努める”事だ。最終的には、最終的なあり方は科学的進歩のパターンによるだろう。英国は科学分野における世界的リーダーであるが、動物福祉の懸念においても同様である。我々の取り組みは、英国の素晴らしい伝統であるこれら二つを一緒にさせる事だ。我々の3Rsの取り組みは絶対的なものである。」

「人為的」に焦点
防犯の大臣で本省の業務を主導するノーマン・ベィカーは、動物実験の絶対数に焦点を当てた「人為的なもの」になる、と述べている。

3Rsを介して行わなければ、我々の数値はより高くなる。私たちの優れた科学的基盤によりもしも海外から科学者を誘致した場合には、合計数に影響するでしょう。科学分野にとって、動物の使用頭数を最低限にする事は好機になる可能性もあります。このような文献を、世界中のどこか他の場所でも見つけられるでしょうか。」

動物実験の終了を呼び掛ける、動物実験の廃止を求める英国の組合(the British Union for the Abolition of Vivisection - Buav)は、この戦略は“好機の損失”であると言っている。

Buavの最高経営責任者であるミシェル・シュウは、「これはごまかしです。動物実験の削減を実行すると政府が公約したにも関わらず諦めた、という事の現れです。この公約が破られたという事は、英国の研究所で苦しんでいる何万頭もの動物のために政府が有意義で持続的な変化をもたらすチャンスを失った、という事です。」と述べる。

英国反動物実験協会(Navs)の最高経営責任者であるジャン・クリーマーはこう述べている。「驚く事に、政府は動物研究の失敗を認めており、また“より良く、早く、安い非動物性へのアプローチ”への前進に対する無力をも訴えているのです。」

続伸
動物保護を行う団体である国際動物愛護協会(HIS)は、政府の計画に慎重であるが歓迎の意を示している。

動物実験政策部長のエミリー・マクルボーは、「動物で試験を行った新しい医薬品のうち92%が人の治験で失敗している今、この計画自体が医薬品開発における絶望的な行き詰まりを認めている。また、雑誌編集者とその査読パネルの間にある基礎となる保守主義がもたらす壁をも浮き彫りにしており、もし発展がなされた場合には克服する必要があります。」と述べる。

動物実験による進歩についての理解の促進を行う、動物実験を理解する会の最高経営責任者のウェンディ・ジャレットは「 英国において、十分に管理された動物実験の継続した必要性を示すとても明確な政府の枠を超えた発表を歓迎します。」と述べている。

計画に対する、バイオ産業協会(BIA)の反応は前向きだが、最高経営責任者のスティーブ・ベイツは「どのようなアクションが取られても、英国企業の新しい技術と商品の開発と、研究の継続能力に悪影響を与えないよう政府が保証しなければならない。」と述べている

政府のための我々の計画という書類は2010年の連立の公約であるにも関わらず、動物実験の数は引き続き着実に伸びている

最新の報告では、遺伝子組み換えをされた(GM)動物の使用に支えられ2012年までに8%伸びている。

本省によると、2012年は、約411万件の科学的実験が動物で行われ、前年よりも317万200件増加している。

マウスは最も多く使用され、ラット、魚、旧世界の猿などの霊長類、ニホンザルやヒヒの類などが後に続く。