Things
that trigger seizures
発作の引き金になるもの
特定のてんかん患者において、ある物事が発作を引き起こす傾向を持つ場合があります。これらは「引き金」とも呼ばれます。引き金には、ストレス、睡眠不足、アルコールの摂りすぎなどが挙げられます。中には、食事を抜くと発作が起きやすいという患者もいます。また、てんかん薬を服用しない事も一般的な引き金の一つです。てんかん患者の中には、ごく稀に閃光やちらつく光が発作の引き金になる人もいます。そして、引き金を避ける事によって発作が起こらないようにする事ができます。
Epilepsy
and inheritance
てんかんと遺伝
はじめに
てんかんに罹患しているという事は、時々発作を起こすという事でもあります。誰もがてんかんに罹患する可能性を持ちますが、中にはてんかんに罹患するリスクが他の人に比べて高い人も中います。
てんかんの病状は複雑で、また多くの異なった種類があります。てんかんに罹患する理由も様々です。
l 生まれつきてんかんを持つ人もいます。てんかんを持つ親から生まれる子供100人のうち2から5人が、遺伝性てんかんを持つと考えられています。
l 脳損傷が原因でてんかんに罹患する人もいますが、その原因は様々です。これには、難産、髄膜炎などの脳の感染、脳卒中や重篤な脳の損傷などが含まれます。脳に損傷を受けた人全員がてんかんに罹患する訳ではありません。
l てんかん患者10人中約6人では、はっきりとした罹患の原因はわかっていません。
てんかんが遺伝する理由とは
ある特定の種類のてんかんは、家系内で遺伝している可能性があります
ある特定の種類のてんかんは、家系の中で遺伝している可能性があります。小児欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん、光過敏性てんかん、熱性発作などが挙げられます。しかしながら、家系の中に異なるタイプのてんかんが現れる事の方がより一般的です。
低発作いき値の遺伝の可能性
私たちの脳には「発作いき値」と呼ばれるものがあります。発作いき値が低い人は、高い人に比べてより発作を起こしやすい傾向があります。また、低い発作いき値は遺伝する可能性があります。
てんかんを起こす他の病状が遺伝する可能性
てんかん患者100人中、2から3人のてんかんの原因はてんかんを起こす異なった医学的状態を遺伝した事によります。例えば、結節性硬化症は遺伝する稀な病気ですが、体のあちこちで良性(非がん性)腫瘍ができ、その事により、てんかん、学習障害や自閉症を含む他の病気を引き起こす可能性があります。
てんかんの遺伝におけるリスク
遺伝リスクのレベルは、てんかんの種類によって異なります。もっとも遺伝しやすい種類のてんかんでも、子供への遺伝リスクは100人中15人以下と考えられています。
以下は、てんかん患者がいる家庭に生まれた子供が持つ、てんかん罹患のリスクに関する情報です。
家族にてんかん罹患者がいる
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母親
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父親
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両親
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その他の家族
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子供がてんかんに罹患するリスク
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一般の子供よりも
高め
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一般の子供よりも
少し高め
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母親のみがてんかんに罹患している子供よりも高め。しかし、子供がてんかんに罹患する可能性は低い
両親が血縁関係である場合は、てんかんの罹患リスクが高くなる(いとこ、その他の近い血縁)。
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家族の中のてんかん罹患者が多いほど、子供にてんかんが遺伝するリスクは高い
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親がてんかんに罹患した年齢
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20歳以下
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20 – 35歳
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35歳以上
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子供がてんかんに罹患するリスク
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一般の子供よりも高い
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一般の子供よりも少し高め
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一般の子供の変わらない
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最後に
てんかんや遺伝についての研究は継続的に行われています。近年、科学者によって多くの新しい情報が発見されていますが、解明されていない事もまだ多くあります。
てんかんと遺伝の要約は以下の通りです
l 子供にてんかんが遺伝するリスクは以下に応じて異なる
- 家系内のてんかんの種類
- 家族のどのメンバーがてんかんに罹患しているか
- てんかんに罹患している家族が発症した年齢
l てんかんの中には、遺伝のリスクが他の種類のてんかんに比べて高いものがある
l てんかん患者の中には、てんかんは遺伝していないが、低発作いき値が遺伝する人もいる
l てんかんに罹患する両親から生まれた子供100人のうち、2から5人にてんかんが遺伝する