Sudden
unexpected death in epilepsy (SUDEP)
はじめに
Epilepsy
Action は、てんかんに関係するリスクを患者とその家族が認識する事がとても大切だと考えます。ここではてんかんによる突然死(Sudden Unexpected Death in Epilepsy –
SUDEP)という、重大なリスクについての説明をします。
てんかんが原因で死亡するリスクは低いという事を是非覚えていてください。そして、そのリスクをさらに低くするためにできる事があるのです。
知人をSUDEPで亡くした人の多くは、亡くなる前にリスクについてもっと知識を持っていればよかったと話します。そこで、てんかんに関連する突然死のリスクに対する認識を高める事を目的とし、そのリスクを減らす方法の実践的アドバイスと提案をこれから行います。
過去、そして現在も継続して多くのSUDEPの研究が行われています。しかしながら、専門家によってSUDEPの全てが解明されている訳ではありません。現在解明されている事について、以下で紹介します。
てんかんにおける突然死(SUDEP
– Sudden Unexpected Death in
Epilepsy) の定義
てんかん患者が、予期せずに突然亡くなり、明らかな死亡原因が見つからない場合はそれを「てんかんによる突然死(SUDEP)」、または「てんかんによる原因不明の突然死」と呼びます。
SUDEPの原因
SUDEPと発作には関連性が示されています。正確な原因は不明ですが、複数の解釈があるでしょう。しかしながら、脳内で起こる発作の活動が心拍や呼吸に変化を起こすと考えられています。これが原因で患者の心拍や呼吸が停止する可能性があります。
SUDEPの危険因子
てんかん患者1000人中1人にSUDEPが起こると推測されています。SUDEPを予測する方法はありませんが、てんかん患者の中には他の人に比べてより高いリスクを持つ人がいる事がわかっています。また、唯一もっとも重要な危険因子は、抑制されていない全身性強直性間代性発作です。このタイプの発作で患者は意識を失い、体が硬直して震えが始まります。
SUDEPは頻繁に発作が起きる人、頻繁に起きていない人の両方に起こります。しかしながら、発作の回数が多いほどSUDEPのリスクも高いと考えられています。発作がない人のSUDEPのリスクは非常に低く、てんかんを診断されたばかりの人で起こる事は稀です。
SUDEPのリスクを高めると考えられている要因は以下の通りです
- 抑制されていない全身性強直性間代性発作を持っている
- 処方の通りにてんかん薬を服用していない
- てんかん薬で抑制されていない発作を起こす
- てんかん薬を急に、また頻繁に変更する
- 若い成人年齢(特に男性)である
- 寝ている時に発作を起こす
- 一人でいる時に発作を起こす
- アルコールを大量に摂取する
てんかん患者のSUDEPリスクを減らす方法
発作の抑制
SUDEPのリスクを減らすもっとも効果的な方法は、発作の回数をできる限り減らす事です。患者の発作が抑制されていない場合は、以下の方法によっててんかんの管理を試みることが可能です。
- てんかん薬を処方の通りに服用する
- 医師に相談せずにてんかん薬の服用を止める、または服用を変える事は決してしない
- てんかん薬は余裕を持って所有し、切らせない
- 事前に、てんかん専門医や専門看護師に、薬の服用を忘れた場合はどうすべきかを聞いておく
- 発作が継続している場合は、てんかん専門家によるてんかんの再検査をお願いしましょう。服用中のてんかん薬の変更や、外科手術などを含む他の治療を提案されるかも知れません。
- 発作について記した日記をつけましょう。医師が患者に一番合う治療を検討する上で役に立ちます。また、患者が自身の発作にパターンがあるか、または発作の引き金になっているものがあるかを見るために役に立ちます。
- 発作の引き金になる状況を避けましょう。てんかん薬の服用を忘れる、睡眠不足、ストレス、アルコールの摂りすぎなどが一般的な引き金です。
- 患者のてんかんの抑制が難しい場合は、かかりつけの専門医に、治療を受けるためにてんかん専門病院で再診察を受けることができるか聞きましょう。
リスクを減らすその他の方法
- 発作が夜中に起こる場合は、他の人に発作が起きた事を知らせる事ができるようベッドに呼び出し警報機の設置を検討しましょう。これにより、患者を回復体位にする、また、必要であれば救急車を呼ぶなど、患者に必要な手助けを行う事ができるようになります(ベッドの呼び出し警報機は作動しない事もあります。発作を感知しない、または理由なしに電源が入らない事もあります。また、呼び出し警報機によるSUDEPリスクの軽減は立証されていない事も念頭に置いて利用してください)。ベッドの呼び出し警報機についてはこちらをご参照ください;http://www.dlf.org.uk
- 患者は周りの人に自身のてんかんについて、また発作が起きた場合には時にどのような対処が必要なのかについて話しましょう。また、その他の人も認知できるように、認証アクセサリーやてんかん認識カードを携帯しましょう。
- 一人でいる時に発作を起こす事はSUDEPの危険要因です。同居人を持つようにするなど、住む場所や行動を考える上で、この事を念頭に置くべきでしょう。
発作を起こしている人のSUDEPリスクを下げる対処法
意識を失う発作を起こした人が近くにいた場合は、以下の回復までの対処法を参考にしてください。この対処法がSUDEPのリスクを下げるかも知れません。
強直間代発作で紹介したACTIONを参考にします;
A (Assess)
状況判断 - 発作が起きている人が怪我をする危険はありますか?当たって怪我をしそうな物がちかくにある場合は移動させましょう。
C (Cushion)
上着などを利用して頭の下にクッションを敷き、頭部を怪我から守りましょう。
T (Time)
時間を計る - 発作が5分以上続く場合は、救急車を呼びましょう。
I (Identity)
健康状態が記されたアクセサリーや身分証明書を探しましょう。発作を起こしている人の発作の種類や、対処法がわかるかもしれません・
O (Over)
発作が終わったら、横を下にした体勢(回復体位)にしましょう。そばに付き添い、意識を取り戻した時は安心させましょう。
N (Never)
発作を起こしている人を固定する、口の中に物を入れる、食べ物や飲み物を与える、等の事は決してしてはいけません。
以下のような場合は救急車を呼びましょう;
- 初めての発作である事を知っている時
- 発作が5分以上続いている時
- 合間に意識を戻す事なく、発作の後に再び発作が始まった時
- 発作を起こした人が怪我をした時
- 発作を起こした人に救急の治療が必要と考える時
SUDEPに関する情報
SUDEP Action ;https://www.sudep.org