By Jane Wakefield
27 February 2013 Last updated at 12:09GMT
http://www.bbc.co.uk/news/technology-21586082
スマートフォンのカメラで尿を分析し病状を確認するアプリケーションが、ロサンジェルスで行われたテッド・カンファレンス (TED - テクノロジー、教育、デザイン) で紹介された。
Uchekでは25種類の異常を検査することができ、発展途上諸国において診断と病気の治療に役立てることができる。
これらの地域では、ますます携帯式健康機器が救命道具として語られている。
このアプリケーションは、TEDメンバーであるMyshkin Ingawaleの発案によるものだ。
彼はBBCに対し、「医療用の健康検査手段がユーザーの手に渡って欲しかった」と語った。
尿中に存在するグルコース(糖分)、タンパクや亜硝酸塩を含む10種類の元素の試験をすることができる。
これらを試験することで、糖尿病、尿路感染症、各種がん、肝臓疾患を含む疾病領域に対して特定的に使用することができる。また一般健康状態の定期検査にも用いられている。
ユーザーは自分で採尿をして、一般的に使用されるスティック状の試験紙を尿に浸して検査を行う。
カラーチャート
尿に浸した後、試験紙を専用マットの上に乗せる。このマットはアプリケーションに付属しており、撮影する場所の光の状態に影響されることなく試験紙の色を正常化させるためのものである。
写真撮影の後、アプリケーションはその色がどの疾患に該当するか、また該当する疾患の有無を分析する。
アプリケーションはアップル社のアプリストアで3月下旬から入手することができ、20ドル(13ポンド)の料金には専用マットと試験紙5本も含まれる。
アプリケーションは個人で利用されると同時にインドのムンバイにあるKing
Edward Memorial病院でも使用し、性能を試される予定だ。
病院では、より一般的に使用されている尿検査機器との比較を行い、正確性が試される。
「うまくいったら移動病院でも使用できるようにする。1万ドルの検査機器を購入するかわりに既存のスマートフォンを用いることができる。」と述べる。
また、現在のUchekアプリはiPhoneのみで使用が可能だが、アンドロイド版も追って利用が可能になるとIngawale氏はBBCに対して述べた。
発展途上諸国では未だにスマートフォンは高価であるが、このような状況はそのうち変わる、と彼は期待している。
「僕は今、インドの露店で購入した100ドルのアンドロイド携帯で通話をしているけど、今後スマートフォンは安くなりすべての携帯電話がスマートフォンになるよ。」と述べた。
草の根医療
携帯電話業界を代表するGSMAによれば、携帯の健康管理サービスによって今後5年間にアフリカで100万人の命を救うことができる、という。
「携帯の健康管理サービスは、費用を抑える同時に質の高い医療を受けるための手段をより多くの患者に与えることから、人々の生活の向上に対して計り知れない潜在力を持つ。」と述べるのは、GSMAのチーフマーケティングの責任者Michael O’Hara氏だ。彼はまた、「これらのポジティブな動きは、携帯業界と医療業界が共同する新しい接続の革新によってのみ成長する可能性がある。」とも述べる。
心拍の測定や睡眠規則の記録、様々な健康状態の継続測定などの健康管理アプリケーションの人気は高まっている。
「 アプリケーションを介した利用者への生化学検査の供給には巨大な潜在力が存在する。」とIngawale氏はいう。
昨年のTEDで同氏は採血をせずに行うことができる血液検査を紹介している。
この検査は貧血で亡くなる女性を予防する事、またトレーニングを受けていない多くの医療従事者が現場で簡易に使用できるようにデザインされている。
Ingawale氏の活動は特に草の根の医療を対象としており、利用者が自身の健康管理でより多くの事を行えるようにしている。
「人々に対する医療の提供方法を考えなおす必要がある。今よりも遥かに分散化される必要がある。情報に対してウィキペディアが行ってきた方法と同様に、消費者主義の動きになることが可能だ。」と同氏は述べる。